駒橋内科医院

さいたま市中央区の内科,アレルギー科,小児科 駒橋内科医院

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食物アレルギーのお話

食物アレルギーとは

 食物アレルギーとは、原因となる食物を摂取した後に、アレルギーの機序によって、体に不利益な症状が引き起こされる現象をいいます。

 皮膚・粘膜症状、消化器症状、呼吸器症状やアナフィラキシーなどの全身症状がおこります。

 食品に含まれる毒素による反応(食中毒)や、体質的に乳糖を分解できずに下痢を起こす病気(乳糖不耐症)などは食物アレルギーとはいいません。

 

即時型食物アレルギーのメカニズム

体の中に、ウイルスや細菌が入り込むと、人はそれを体から追い出そうとします。

 これが 「免疫」 といわれる体を守るしくみです。 

ところが、体を守るはずのこの免疫の働きが過敏すぎると、体に不利な症状を引き起こすことがあります。 
 たとえば、卵アレルギーの人は、卵を食べると皮膚に湿疹が出たり、目がはれたりすることがあります。 このような反応を 「アレルギー反応」 といいます。

 アレルギー反応は、「アレルゲン」といってアレルギー反応を引き起こす物質と、アレルゲンにさらされることによって、からだの中でリンパ球(白血球)により作られる 「IgE抗体」 によって起こります。

 食物アレルギーの多くは、食べ物に含まれるたんぱく質などが、消化管から吸収され、血液を介して、皮膚、気管支粘膜、鼻粘膜、結膜などに到達してアレルギー反応がおきます。

 

食物アレルギーの症状とアナフィラキシー

 食物アレルギーの症状として皮膚のかゆみ、蕁麻疹、湿疹などが多く見られます。 その他にも、腹痛や呼吸困難など全身に症状があらわれるのが特徴です。

 これらの症状は、日常生活の中で、繰り返し起こるため、食物アレルギーであると気がつかないときもあります。

【食物アレルギーにより引き起こされる症状】

(皮膚症状):かゆみ、蕁麻疹、血管運動性浮腫、発赤、湿疹

(粘膜症状):眼粘膜充血、かゆみ、流涙(涙が流れ出る)、眼瞼浮腫

(消化器症状):嘔気(むかむかすること)、嘔吐、腹痛、下痢

(上気道症状):口腔粘膜・咽頭の掻痒感、違和感(イガイガした感じ),腫脹(はれる)、咽喉頭浮腫(のどの奥がむくむ)、くしゃみ、鼻水、鼻閉(鼻がつまる)

(下気道症状):せき、喘鳴(ぜいぜいして息が苦しくなること)、呼吸困難

(全身症状):アナフィラキシー症状:頻脈(脈が早くなること)、血圧低下、活動性低下(ぐったりする)、意識障害

 食物アレルギーでみられる症状の頻度は、 皮膚粘膜症状>消化器症状>上気道症状>下気道症状>全身症状の順であると報告されています。

 摂取するアレルゲン量や年齢によっても症状の出現の仕方が異なり、授乳期には、発赤、湿疹などの形をとることが多く、その後、離乳期から幼児期には、蕁麻疹、湿疹などの皮膚症状に加え、眼粘膜症状、鼻症状、消化器症状、下気道症状などの形とることが多くなり、最重症の形としてアナフィラキシーを呈することがあります。

 アナフィラキシーは、食物、薬物、蜂刺され、ラテックス(天然ゴム)、ワクチンや運動などが、原因で誘発される全身性の急性アレルギー反応で、急激な症状悪化から死に至る可能性もある重篤なアレルギー反応です。

 アナフィラキシーの頻度は食物アレルギーの中で12%です。

 アナフィラキシーでよく見られる症状として、蕁麻疹、呼吸困難、腹痛、嘔吐、下痢、および血圧低下を伴うショック等があげられます。
 これらの症状は、人によって、またアレルゲンによっても異なります。
 蕁麻疹等の皮膚症状は、はじめにみられることが多いといわれています。

【アナフィラキシーの症状】

(初期の症状):口内違和感、口唇のしびれ、四肢のしびれ、気分不快、吐き気、腹痛、蕁麻疹

(中程度の症状):のどが詰まった感じ、胸が苦しい、めまい、嘔吐、全身の蕁麻疹、ぜーぜー苦しくなる

(強い症状):呼吸困難、血圧低下、意識障害

 

食物アレルギーの原因

食物アレルギーを引き起こすことが明らかな食品のうち、三大アレルゲンとして知られているのが、卵、牛乳、小麦です。

 また、症状が重篤なものとして、そば、ピーナッツがあげられます。

 この5品目は食品衛生法においても特定原材料として食品表示が義務付けられています。他にも、さまざまな食材があげられます。

年齢によって、アレルゲンが変化したり、新たに加わったりすることがあります。
 
牛乳および鶏卵アレルギーは、年齢が増すとともにしばしば消失します。

 これは、消化能力があがり、たんぱく質をアミノ酸まで分解できるようになるからです。
 
しかし、ピーナッツ、貝、甲殻類、魚等は生涯持続する傾向があります。

 

新しいタイプの食物アレルギー

【口腔アレルギー症候群】

口腔アレルギー症候群は、近年報告が増えてきている新しいタイプの食物アレルギーで幼児、学童、成人に認められます。

 特に、成人女性に多いとされ、アレルゲンとしては果物(キウイ、メロン、モモ、パイナップル、リンゴ、サクランボなど)、あるいはトマトなどの野菜です。

 口腔内だけに症状がみられる場合が多いのですが、ショック症状を呈することもあります。

 欧米では、シラカンバの自生地域に多く認められ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ブタクサ、ヨモギ、カモガヤ、オオアワガエリの花粉でも引き起こされます、これは、花粉と食物の間に共通抗原性がある(構成するたんぱく質の構造に類似性がある事)ためと考えられています。

【食物依存性運動誘発アナフィラキシー】

非常にまれな疾患ではありますが、ある特定の食物と運動の組み合わせで、蕁麻疹から始まりショック症状にいたる場合があり、食物依存性運動誘発アナフィラキシーといいます。

 頻度の高いものは、小麦、魚介類などです。具体的な例として、昼食時に小麦や魚介類などを摂取し、すぐにサッカーなどの激しい運動した場合に、蕁麻疹の出現に始まり、咽頭浮腫、喘鳴などの呼吸器症状を伴いショック症状にいたる場合があります。

 

食物アレルギーの診断

食物アレルギーの診断は、問診(聞き取り)といろいろの検査を組み合わせておこなわれます。

 まず、基本となるのは、問診です。 具体的な症状やいままでかかった病気、普段の生活の様子、家族のアレルギーの有無や症状などを聴取します。

 さらに、食べた食品の種類や時間、そのときの症状を記入「食事日記」も、日ごろの食生活を振り返ることができ、診断の参考になります。

(検査)
血液検査(抗IgE抗体)、皮膚スクラッチテスト

(食物除去試験)
推定した食物を2週間除去し、改善されるかどうかをみます。

(食物負荷試験)
アレルギーが改善している状態で原因と思われる食物をもう1度食べてみて、悪化するかをみます。

 

食物アレルギーの予防と治療

(食事療法)
食物アレルギーの基本は、アレルギーの原因になっている食品を除去することです。

 しかし、アレルギーを起こす食品が多い場合、成長に必要な栄養が足りなくなってしまうこともありますので、代替食品を取り入れて栄養のバランスをとります。

(薬物療法)
食物を完全に除去できない場合は、抗ヒスタミン薬、インタール(抗アレルギー薬)の内服が補助療法として用いられます。

【アナフィラキシーショックの予防と治療】

 食物アレルギーによって血圧が低下し、ショックとなり、呼吸困難も伴うような強い反応を起こす方は、 

  「エピペン」
 (昇圧、気管支拡張薬)

というショックを改善する自己注射を、携帯してもらいます、蕁麻疹を起こしたあとに、咽頭浮腫、喘鳴、呼吸困難を起こした際に自分(お子さんは、両親に)で大腿部に注射します。 

 注射することによって、ショックと呼吸困難が改善され、すぐに、救急車で医療機関受診し、副腎皮質ホルモンの点滴をして、アレルギーの治療をします。