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新型コロナウイルスとワクチン

<新型コロナウイルスとは?>

これまでに人に感染するコロナウイルスウイルスは4種類知られており、風邪の10~15%を占めるウイルスとして知られていました。
2002年の中国の端を発したコウモリのコロナウイルスが人に感染したSARS、2012年の中東のラクダから人に感染するMERS、そして2019年の原因不明の肺炎は、新型のコロナウイルス(COVID-19)が原因であることが判明しました。

<新型コロナウイルスの世界での感染>

2021年1月31日時点で世界の新型コロナウイルス患者は、
 感染者数:10,259万人
 死亡者数:222万人
 致死率: 2.1%
2021年1月31日時点の日本国内の感染者数は、
 感染者数:391,124人
 死亡者数:5,766人
 致死率: 1.4%
 となっています。(朝日新聞)
冬に入り人の免疫が落ちウイルスの増殖が活発になり、感染者・死亡者・重傷者の増加ペースが速くなり、ついに世界の感染者は1億人を突破しました。

<変異株の広がり>

現在、イギリス、南アフリカで新たな変異株が見つかり世界に広がっており、また新たにブラジルからの渡航者から変異株が検出されたことが報告されています。

<新型コロナウイルス感染症の症状>

潜伏期は1~14日間で、多くの人が4~5日程度で発症します。発症前から感染性があり、発症間もない時期の感染性が高いことが、SARSやMERSと異なる特徴です。風邪やインフルエンザとの鑑別は難しく、

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 呼吸困難
  • 下痢
  • 味覚障害、嗅覚障害

などの症状が見られます、呼吸困難、味覚障害、嗅覚障害は風邪やインフルエンザでは稀な症状ですので、新型コロナウイルスを疑うきっかけとなります。

<重症化のリスク因子>

高血圧、糖尿病、肥満、慢性腎臓病、呼吸器疾患、心疾患、がんなどの基礎疾患のある方、基礎疾患のある60歳以上の方が死亡リスクが高くなります。

<合併症>

呼吸不全、心血管系、血栓塞栓症、炎症性合併症、2次性細菌・真菌感染症が多いです。

<後遺症>

多い順に、嗅覚障害(19.4%)、呼吸困難(17.5%)、倦怠感(15.9%)、咳(7.9%)、味覚障害(4.8%)これらの症状に遅れて、1~4か月続く脱毛(24%)もあり、さらに海外からは、30%に記憶障害。睡眠障害、集中力低下などの症状が報告されています。(新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第4.1版)

<新型コロナウイルスの診断>

1.画像診断

胸部レントゲンでは肺炎を見逃す事があるので、CT検査を行います。特徴的な陰影はすりガラス様陰影を認めます。

2.PCR検査・抗原検査・抗体検査

PCR検査とは、ウイルスの遺伝子を検出する検査です。鼻腔、鼻咽頭のぬぐい液、唾液を採取してウイルスの有無を検査します。しかし、PCR検査はウイルスの検出率が高い検査ですが100%診断できるわけでは無く、感染者でも陰性と出てしまうことがあります。
抗原検査は15~30分という短時間で検査結果を得られるメリットがある一方ウイルス量が多くないと見逃しが多くなります。
抗体検査は過去の感染を診断するための検査で現在の感染を診断することはできません、発症してから概ね2週間くらいで80%の人が、概ね3週間くらいで全ての人がIgMまたはIgG抗体陽性になります。

<新型コロナウイルスの治療>

日本国内で承認されている医薬品は、発症初期には抗ウイルス薬レムデシビル、発症7~10日以降の過剰な炎症反応が起こる時期には副腎皮質ホルモンのデキサメサゾンが有効と考えられています。また、臨床研究などで、過剰な免疫反応サイトカインストームの際にはトシリズマブ、そしてアビガン、回復患者の血漿などが検証されています。

<新型コロナウイルスワクチン>

海外ではファイザー社が開発したワクチン(BTN163b2)とモデルナ社のワクチン(mRNA-1273)が承認される国が増えています、いずれもmRNAワクチンという新しい技術を用いたワクチンです。日本では最初にファイザーのワクチンが2月中に承認される見込みです。
これらのワクチンはウイルスの表面タンパクを解析しmRNAを合成、ワクチンが接種されると体内のマクロファージに取り込まれ、表面タンパクを合成し免疫細胞が捕捉し記憶、次に本物のウイルスが侵入した際にすみやかに排除する免疫を持つことができます。生きたウイルスはワクチンの中に入っておらず、人間の遺伝子情報に変化が加わる事はありません。
今回のワクチンでは重症化リスクが高い高齢者、基礎疾患のある人に作用があるかが重要ですが、ファイザー社のワクチンは65歳以上のワクチン有効率94.7%、モデルナ社のワクチンは重症化リスク群のワクチン有効率90.9%、65歳以上のワクチン有効率86.4%発表されています。(N Engl J Med 2020)

<新型コロナウイルスワクチンの副作用>

新型コロナワクチンは筋肉注射なので注射部位の痛み(60%)が1番多く、次いで倦怠感(50%)、頭痛(40%)が一般的なようです。高熱が出ることは多くなく10%程度のようです。(BNT162b2m-RNAワクチン、BioNT&Pfizer)
最も懸念される副作用はアナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックの原因と考えられているのは、両方のワクチンに含まれているポリエチレングリコールと呼ばれる添加物です。この物質にアレルギーのある人は接種を控えるように推奨しています。
インフルエンザワクチンが100万人に1人に比べ、新型コロナワクチンはその10倍の10万人に1人アナフィラキシーショック起こる可能性がありますのでアレルギー体質の強い方、アナフィラキシーショックの既往のある方は接種後30分程度の経過観察が必要です。

<子供のワクチン接種>

政府は、妊婦の方や子供の接種は安全性、有効性を見ながら検討するようで、今後の課題とされています。

<日本国内でのワクチン優先接種対象者>

政府の発表では2月下旬より、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する方、次に介護施設の職員、そして一般の方の接種が始まる予定となっています。

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